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【恐いい話】最後のあいさつ

      2018/06/22

私が高校生の頃、孫の中で私を一番かわいがってくれていたおばあちゃんが危篤状態になった。

ちょうど夏休みだったので、すぐにでも田舎のおばあちゃんのところへ駆けつけることはできたはずなのだが、ちょうど部活の大切な試合があったため、それを終えてから行く予定になっていた。

試合が終わって、とりあえず今からこの足で行くよ、という電話を田舎にしたところ、先に行っていた母から

「ついさきほど亡くなった」

と言う話を聞き、残念でならなかった。

母によると、私の到着を待っていたのだけど、同じ背格好の看護婦さんを見て私だと思い、安心したような顔で逝ってしまったらしい。

試合会場からの帰宅中のバスの中で、すぐそばの席におじいさんが座っていた。

でも、どう目を凝らしてみても、顔だけがすげ替えたかのようにおばあちゃんの顔になっていた。




他人のそら似レベルの似方じゃなく、本当におばあちゃんの顔そのものだったので、見ている自分が信じられなくって何度も目をこすった。

バスから降りるまで、何度声をかけてみようか悩んだけど、結局かけることなくバスを降りた。

でも降りるために中を移動してすれ違う瞬間、そのおじいさんはこっちを向いてにっこり笑い、かるく会釈をしてくれた。

私も会釈を返した。

臨終に間に合わなかった私に、最後のあいさつをしにおばあちゃんが来てくれたんだと思うと、急に試合を優先して後悔していた私の心があたたかくなった。




 

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