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【恐いい話】患者さんと心を通わせる母

   

母は20代前半の頃、看護婦をしていたのですが結婚を機に父と一緒に自営業をしていました。

両親が離婚してからも自営業をしており、この不景気で店を畳まねばならなくなったため母は、特別養護老人ホームに併設されている病院で看護婦に復職したんです。

ある時、母は私に電話をかけてきて

「家で寝ていたら、突然目が覚めたのよね。そしたら、おばあさんがテーブルの上に正座してこっちを見てるの。でも、それが誰なのか分からなくて気になってるのよ。不思議と怖くないんだけど、多分もうこの世にいない人だと思うの。」

そんなコトを言いました。

母は昔からよく虫の知らせを感じるコトがあるのを聞いていたのでそのおばあさんは、祖母なのではないかと思ったのですが明らかに別人だと言うのです。

それからまたしばらくして母から電話がありました。

「ようやく、おばあさんが誰だか思い出した。患者さんだったよ」

母が、遺体を処置した患者さんだと言うのです。




人の死に直面する機会の多い看護婦という職業なのでほとんどの場合、よほど気にかけていた患者さんが亡くなられた場合でも涙を流すコトはめったにありません。

しかし、母は復職したての看護婦。

久々に、看護婦として働き、死んでしまったお婆さんの遺体を処置している時に思わず泣いてしまったのだそうです。

というのも、そのお婆さんは家族のお見舞いも無く、看取ってくれる人もロクにいない状態で息を引き取ったため、とても気の毒に思えてしまったのだそうです。

寝ていた母の元に現れたおばあさんは、母を、ただじーっと見ていただけだったそうなのですが何の血縁もなくても、自分のために泣いた看護婦のところに出てくるコトもあるんだね…と母は、不思議そうに言っていました。

そんな母は、祖母が亡くなった後も、なんの虫の知らせもない…と苦笑しています。





 

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