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【恐いい話】名物婆さんと綺麗なお嬢さん

   

子供の頃、近所に名物婆さんがいた。

いつも煙管を持って野良仕事の合間にそこらの道端に座って一服していた。

皺だらけの顔と曲がった腰で決して綺麗とは言えなかったが、味のある陽気な婆さんだった。

その婆さんも寄る年波に勝てずに亡くなった。

その葬式の日におかしなことが起きた。

自分の地元は葬式はお寺さんで行い、家には親類だけが戻ってきてお清めする習わし。

ご近所の奥さん連中が婆さんの家である土間のある田舎屋で炊き出しをして、みなが戻ってくるのを待っていた。

夕方、近所の奥さんの1人が仕事の合間に開けっ放しの扉の向こうを見ると、白いワンピースを着た若い娘が立っていた。

狭い集落では見たこともない綺麗なお嬢さんに見取れているうちに、娘は嬉しそうに笑うと頭を下げて消えてしまったという。

その綺麗な娘と皺だらけの婆さんの姿は重ならないが、きっと婆さんが礼を言いたくて戻ってきたんだともっぱらの噂になった。

十何年も前の本当の話でした。

 

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