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【恐いい話】出席できるように生きてくれた

   

数年前、母方の祖母が死んだのね。

その頃(今もだけど)の自分は仕事で全国あっちこっち飛び回っていて、明日の予定も解らないような日々を送っていた。

その日も、今週いっぱいは北関東を回らなきゃいけなかったから、いつ家に帰れるかなんて全然解らなかったんだけど、携帯に母から電話がかかってきた。

「祖母が入院した。いつ息を引き取るか解らないから覚悟しておいてくれ」

正直、葬式に出られるとは思わなかった。

たとえ近親者が死んでも、仕事で自分の代わりを勤められる人はいなかったから、仕事を休んで家に帰れるなんてわけがなかった。

だから半ば諦めていたんだけど。

電話を受けたのが月曜日。

そして祖母が息を引き取ったのは金曜日の夜だった。

あと三日も持たないって言われてたのに。

お葬式は土曜日だったから、なんとか実家に戻って参列することができた。

祖母の骨も拾えた。

全部終わってまた現場に戻るという時、父方の祖母がぽつりと呟いた。




「おばあちゃん(母方の祖母)は、あんたが葬式にでられるように、と思って週末まで頑張ってくれたんかもしれんなあ…」

自分でもバカみたいだとは思ったけど、その言葉で、子供みたいに泣いてしまった。

仕事仕事でろくに実家にも帰らず、老いた両親もほったらかしな自分に、せめて葬式のときぐらいは家に帰れというつもりで、葬式がうまく休日に重なるように頑張ってくれたのかな、と思ったらなんか自分が情けなくなった。

今も仕事で忙しいのは変わらないけど、母方の祖母に怒られないように、なるべく時間を見つけては実家に戻るようにしてる。




 

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