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【怖い話】逃避旅で山に行った。そこで野宿した夜

      2016/06/24

本当にあった話。

オレってばアウトドア好きなんだけど、その中のひとつに逃避旅ってのがある。

年に一度、夏になったら自転車にテントを積んでひたすら走る旅のことだ。

現実逃避なのでもちろん目的地はない。

行き当たりばったりなので、これまでいろんな所で野宿をしてきた。

そんな旅の中で体験した、怖い思い出。

俺がまだ二十歳そこそこの頃。

お盆休みを利用して逃避旅に出た。

テントに寝袋、必要なものを全部ロードバイクにくくりつけ、オレはひたすら走った。

どんどん街からは離れ、夕方になる頃にはもうすっかり山の中だった。

そろそろ野宿ポイントを決めようかなと思い、オレは近くにある湖へと向かった。

そこは県内でもそれなりに有名な観光地なため、湖のそばには食堂や売店もある。

ちょうどいいや。

と俺はそこで飯をすませて、テントを張ろうと人気のない山の方へと向かった。

観光地とは言っても夜になると無人になる。

ましてや少し離れると本当に静かだ。

俺は早々にテントを張り、寝袋へともぐりこんだ

その夜、ふと目が覚めた。




たしかまだ夜中の1時ぐらいだったと思う。

寝付けそうになかった俺は、仰向けのままボーッとしていた。

キャンプ経験者ならわかると思うが、夜の山ってのは独特の雰囲気がある。

日常生活では決して味わえない感覚なんだけど、その夜はどこかおかしかった。

真夏だというのに、虫の声ひとつない。

(なんか気味悪いな~)と思っていたその時。

誰かがテントを押した。

ヌッと外からテントを押す手が、月明かりに照らされて見えた。

(おおっ!?)と声が出そうになるが、必死に押さえる。

頭のおかしい奴か?と俺は身構えた。

起きてるとバレたら、何をされるか分からない。

手の主は、独り言のような、うめき声のようなものを上げながらテントの周囲を徘徊している。

そして手でまたテントを押す。

(勘弁してくれ…)と思ったその時、またひとつ気付いた。

テントを張った場所は山。

地面には草が生え、木の枝もたくさん落ちている。

だけど、足音が一切聞こえない。

聞こえるのは声だけ。

そんなのありえない。

それに気がついた時、どっと全身から冷や汗が出た。

えたいの知れないそいつは、こちらを伺うようにしてテントから離れない。

息づかいですぐ近くにいるのがわかる。

俺は必死に声を押し殺して、朝になるのを待った。

あたりが明るくなる頃、気がついたら奴の気配が無くなっていた。

俺はかつてないスピードでテントを回収して帰った。

後になってから複数人いたような気がするけど、もうどうでもいい。

とにかく、山というのは不思議なことがたくさん起こる。

皆さんも山に入るときは気をつけて。





 

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