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【怖い話】無数の人型に分かれてサ─ッ

      2018/08/17

会社員に聞いた話。

ダムサイトで弁当を食べた後、柵にもたれてダム湖を眺めていた。

強い陽射しの中、断崖の下の湖面には真っ黒な影が広がっている。

と、聞き慣れない音が聞こえてきた。

紙を擦り合わせるような乾いた音。

聞こえると言うより、耳鳴りのように頭の芯に響いて意識を揺さぶる…

「**さん!」

突然、同僚に後ろから呼び掛けられて我に返った。

上半身が覗き込むように断崖の方に乗り出していて、両足が宙に浮いている。

いつのまにか柵を乗り越えようとしていたらしい。

そこで初めて気が付いた。




真昼のこんな時間に、影があんなにも広がるはずが無い…

慌てて柵を離れようとした時、湖面の影が無数の人型に分かれてサ─ッと散った。





 

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