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【怖い話】幽霊風味な男

      2018/09/08

去年の夏の終わりくらい、もう9月だったかな?

深夜1時頃だったと思うんだけど、静岡県の太平洋沿いを走る国道150号線を帰宅するためにひたすら走っていた。

東西に走る道路を何も考えずに走っていたら、さすがに少し眠気が襲ってきたので、途中コンビニでコーヒーとガムを購入して、カーステレオに合わせて歌ったりしながら騙し騙し運転していたんだけど、道中半ばで居眠りの危険を感じて少しだけ睡眠を摂ることにした。

海沿いの田舎道なのが幸いして、すぐに安全に仮眠できそうな路地を見つけて停車し、少しだけ窓を開けてシートを倒した。

すぐに眠りに落ち、そして夢を見て目を覚ました。

その間10分くらいだったと思う。

夢の内容は、車を止めた場所のすぐ左前方にある電柱の影から男の人がこっちを見ている。

その顔には生気が無くて、ご丁寧なことに心霊特番に出てくる幽霊みたく寒色系のライトが下から当たっている。

オレは以前から車内泊をすると悪夢を見る傾向があったので、目を覚ましてすぐにまたか…と思い、少しだけ残っていたコーヒーを飲み干すと気を取り直し再び寝た。

そしてまた同じ夢で目を覚ました。

時計を見ると今度は1時間ほど寝ていたらしい。

空も薄っすらとだが白み始めていた。

ある程度眠気もとれたし、また悪い夢を見るのも嫌なので3度寝はしないで車のエンジンを掛けて、ライトを点けた。

ライトに照らされ浮かび上がった電柱は、夢で見たそれと同じだった。




無論その影に幽霊風味な男はいなかったのだが、思いがけない別のものがそこにあった。

まだ男が立っていたほうが驚かなかったかもしれない。

その電柱の根元には大量の枯れた花束やコーヒーの缶、途中で火の消えた線香が置かれ、電柱がまるで墓標のように見えた。

オレはすぐに車を反転させると、大声で

「お化けなんてないよ!お化けなんてウソさ!」

と歌いながら家路を急いだ。




 

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