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【怖い話】山奥のため池で水を歩く女

      2018/09/28

友人の話。

彼がヘラブナ釣りにはまり始めた頃のこと。

夜中に無性に竿が振りたくなり、山奥のため池へ出かけたのだという。

餌の準備をしていると、向こう岸に誰かが立っているのに気がついた。

月明かりの下で、髪の長い女がこちらをじっと見つめていた。

思わず目を見返してしまったのだそうだ。

すると、女は水に向かい歩を進め始めた。

足が水に入っても歩みを止めない。

ざぶざぶと水音を立てながら、やがてその姿は完全に水中に没してしまった。

危ないものを見たと直感し、すぐに撤収を始めたという。

片付け終わると、もう一度池の水面を見やった。

いきなり、数メートル前の水面に黒いものが浮かび上がった。




濡れた女の頭だった。

彼女が池の底を歩いてきたことを理解するや否や、彼は猛然と車へ逃げ帰った。

車に乗り込んだ時、バックミラーに歩み寄ってくる影が映った。

即座にエンジンをかけ山を下りたのだという。

真っ直ぐに家に帰る気がせず、明け方までファミレスで時間を潰したそうだ。

彼は二度と夜釣りには行かないと言っている。




 

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