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【怖い話】妖怪千本ノックは嘘をついてやらせる

   

私の行ってた小学校には妖怪千本ノックが居ました。

夜の12時にグラウンドに行くと妖怪千本ノックが居る。

そして物凄い勢いで千本ノックをしてくる。

千本終わるまで絶対に帰ることが出来ない。

千本終わったら何か一言言われて帰されるという妖怪だった。

そんなある日、私が小学生の頃のこと。
近くの海でキャンプ会のあり私と友人二人は夜中にテントを抜け出して、肝試しに妖怪千本ノックを見に行くことになりました。

「もうやめにせんかよー。」

「ほんまに出たらどうするよ?」

などとはしゃぎながらも近くだったのですぐ学校に着きました。

遠巻きに見るグラウンドは本当に不気味で、子供の霊ぐらいなら居てもおかしくないような不気味な雰囲気を醸し出していました。

正直もう帰りたいとは思ったのですが悪ガキ軍団としての自覚もあり引くに引けず、とにかくササッと見て回って帰ろうと思い夜のグラウンドに侵入しました。

中に入るといくらなんでもと思うぐらいに静かでした。

何の音もしない。

全くの無音、何かがおかしい…

そんな気が一帯を支配したまさにその時、

タッ……タッ……タッ……タッ…タッ…タッ…タッコロコロコロ……

何も音の無かったあたり一帯に音を響かせて白球が一球転がってきました。

もう私たち三人はみんな一様に腰を抜かし這いずる様にして逃げました。

しかしどれだけ走ってもグラウンドから出ることが出来ませんでした、まるで広大な砂漠を這いずり回っているような…

すると逃げている方向からもまた白球が…

友人の一人があまりの恐怖に動かなくなり、私も気を失い…

いくら時間がたったのか、気が付くと私たち三人は宿直室に居ました。

「お前らも肝試し来たんか」

宿直のおじさんがもう全部知っているような顔をして言いました。

私達は事の件を素直に自白しました。

するとおじさんがおもむろにこんな話を始めました。




「昔な、野球の大好きな先生がおってな。少年野球部を一生懸命鍛えよったんよ。ところがある日、練習試合の帰りにバスが事故して子供が大勢死んでしもてなぁ、それでその先生責任感じてしもてバックネット裏で首吊って自殺してまいよったんや。それからやな、変な噂たちだしたんわ。ただな、お前らが今見てきたようにそれは単なる噂や無い。もう何年もこの学校おるけどお前らみたいにここくるやつが一年に一回はある。まぁもう来てしもたからしゃないけどなぁ…」

そう言うとおじさんは持っていたコーヒーをぐいっと飲み干して一息吐きました。

「さぁ、ほないっぺんグラウンド行こか。」

私達はおじさんに従いついていきました。

私達はバックネット裏の木に線香を捧げ、何か面白げにおじさんの言う言葉

「先生野球頑張るから成仏して下さい!」

等を続いて言い、先生に捧げる千本ノックをおじさんにやらされ、その後野球談義などで談笑し、校門まで送って貰い帰りました。

これ以後は後日談ですが、うちの学校には宿直室など無く、治安も良いので夜中の学校に先生が泊まるという事もなく。

また学校で昔少年野球団を巻き込んだバス事故があったという事実も無く、私達は今となっては

「あぁ、やられたな(笑)」

と思っています。

あんまり恐くないけどほんのり恐いといえばこの話が実体験だってことぐらいかな。




 

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