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【怖い話】出勤する霊

      2016/05/16

私は外資系の金融関係の某支店に勤務しています。

人手が足りずどんどん社員を採用するもので1,2年に1回はオフィスが狭くなるので引っ越しをします。

1年少し前まで東京の中心に位置し、国道に面してある坂道のビルの2階フロアーにいました。

隣はなんとお寺です。

道からは見えませんが2階からは近代的なお寺の建物と対照的なお墓がよく見えます。

2階フロアーは間仕切りがなく手狭になるとすぐまた引越しなのでガラスのパーテーションで区切っています。

当時私のとなりにAさんという温厚な人がいました(よく世話になりました)。

ある日を境にその人は行方不明になり1週間後首を吊って自殺体で発見されました。

原因はサラ金です。

会社が忙しいために毎日10人前後の社員が12時くらい迄残業はザラでした。

しかしそれを境に激減しました。

私は当時超多忙で殆ど外出していましたので、それを知ったのは事後のことです。

この世にいないAさんが自分の席で新聞を読んでいる、トイレからAさんが出てきた、会社にAさんから電話がかかる、会社の前でAさんとすれ違うなどホントに頻繁に起こったようです。

社内でも箝口令が敷かれ、誰も口には出しませんでしたが、7時には誰も社内に残る者はいませんでした。

そんな時私と同僚のBさんがどうしても翌日までにしなくてはならない仕事が出来、徹夜でやらなければならない状況になりました。

知らないということは恐ろしい事で

「今日は徹夜だ」

と言うと皆妙に感心していました。

あの時知っていれば…

時計も1時は過ぎていたと思うのですが、机の向かいのBさんを見たときに肩越しに何か見えるのです。

よく見るとBさんのうしろのパーテーションの上にAさんの首だけが乗ってこちらを無表情に見ているのです。

私は驚きでのけぞりました。

Bさんも振り向きざま驚きで椅子から落ち、はってこちらに来ました。

何秒かたって机の影から見ましたがもうそこにはAさんはいませんでした。

二人共同じものを見た事を確認しました。

Aさんは会社になんの未練を残したのでしょうか。

未だにわかりません。

数週間後支店は移転しました。

 

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