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【怖い話】出会った親切なおじさん!

      2018/11/23

数年前の夏、バイクでG県のK川に釣りへ出かけた。

土手を走りながらポイントを探して、いいポイントを見つけたのだが、土手は急で鬱蒼とした薮に阻まれ、辿り着くには更に進んだところから、降り戻るしかなかった。

ポイント迄、巨大な岩に阻まれ何度も後戻りしながらも、辿り着いた。

絶好のポイント!僕は釣りに没頭し日暮れかけているのも気付かなかった。

辺りは真っ暗”さて帰るか”と思ったが、困った。

真っ暗で何も見えない。

後ろを見ると、おじさんが一人夜釣りをしてる。

”釣れますか?”と尋ねると”今日はだめやぁ。もう帰るわ”

しめた!このおじさんに付いて行けば土手の上に出られる。

帰り支度を素早く済ましおじさんに訳を話し、後に続いた。

しかし、このおじさん、歩くのがもの凄く早い。

必死についていったがやがて見失った。

おろおろしてる僕に”おーい。こっちだぁ”とおじさんの声。

助かったぁと声の方へ。

しかし、おじさんの姿はない。

”こっちだぁ”と再びおじさん。

どうやらその声は、土手の薮の中から聞こえる。

最初に降りた場所より遥かに及ばない所だ。

近道なのかな。

と声のする方へ僕は急な土手を上っていった。

しかしそこは道というには、あまりにお粗末な道。

ふと静かなのに不安を感じ”おじさん”と、問いかけると

”こっちだこっちだ。はやくしろぉ”とおじさんの声。

ほっとして進むが、あまりに道が酷いので、思わず尋ねた。

「おじさん、ここから、本当に上に出られるの?」

……

?返事がない。

「おじさん?いるの?」

「ああ、こっちだぁ」

「この道で出られるんだね?」

……

「おじさん、この道でいいんだね?」

「そうだぁ。はやく来いぃ」

「もう土手の上に、いるの?」

……

「おじさん!?」

「はやく、こぉぉ~いぃぃ」

間延びした嫌な声…何か変だ…”

土手の上に出れられるのか”と尋ねると口を閉ざす。

人が通ったにしては草が倒れていない。

蜘蛛の巣にもひっかかる。

嫌なものを感じた僕は、急に恐ろしくなって転がるように土手を降りた。

すると”ちっ”上の方で舌打ちが聞こえた。

僕は背筋の凍る思いで、とにかくがむしゃらに走った。

何とかここへ来たとき降りた場所に辿り着き、急いで駆け上がりバイクに乗り来た道を帰った。

土手の上を走るバイクの軽快な音。

もう大丈夫とほっとして、なにげなく薮の方を見降ろした僕が見たものは、

薮の合間にある無縁仏と、その脇でこっちを睨んでいるおじさんの姿だった。

 

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