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【怖い話】コインランドリー

   

長期出張でビジネスホテルに5日も泊まっていると下着の替えも無くなってきたので、コインランドリーで洗濯をすることになった。

全自動の洗濯機にいれている間に、ラーメン屋で夕食をすませたが、乾燥機で乾かす間は外が雨が降っていることもあり、コインランドリーに置きっぱなしになっている古い雑誌を読んで時間をつぶしていた。

近所のおばさんと思われる人が服を乾かしにやってきた。

おばさんも乾燥機を待つ間暇だったんだろう、聞きたくもない話を一方的にしてきた。

「あら、一番右側をつかっているのあなた?いやだ。知らないの?知らないから使えるのよね。知らないなら、知らない方がいいのよね。でも…結局知ることになるんだったら、知っておいた方が良いわよね。」

「そこでね。事件があったのよ。私もね、本当ならここに来たくもなかったのよ。酷い事件だったから。あら、本当に知らないの?」

「ニュース見なきゃ駄目よ。え!出張で来ていてこの辺の人じゃないの?」

「そう、今日で5日目。大変ね。でも、一年近く前の話だってよく覚えておかないと大変な目に会うわよ。きっと、今晩大変なことになるわよ。」

「そこでね、育児ノイローゼっていうの?あれ。そういうのってよく聞くでしょ。私も始めての子の時たいへんだったのよ。その子がね、今日洗った服を明日着たいってゴネたので、本当は来たくなかったけどここに来たのよ。」

「で、なんだっけ。そうそう、育児ノイローゼ。若い奥さんがね、このコインランドリーの上のマンションに住んでいたのよ。ここの上、マンションになっているでしょ。よく見て御覧なさい。結構良い場所にあるのに人があまり住んでないのよ。明かりがあんまり点いていないでしょ。あの事件からなの。住んでいた人がバタバタって引越していちゃったのよ。」

「旦那がね、こっちに転勤になって、子供が生まれたばかりだったけど子供をつれて引越してきたの。」

「友達も出来なかったみたいだし、実家も遠いのでその辺からおかしくなったみたいね。旦那も転勤になったばっかりでしかも、子供が出来たんで無理して頑張って残業ばっかりみたいで。」

「それで、ある日奥さんついにキレたらしいの。」

「お風呂に子供を入れた後、髪が乾かない、乾かないってここまでやってきて其の一番右側の乾燥機に子供をいれたのよ。」

「不幸なことに其のとき誰もいなかったのよ。30分ぐらいして学生さんが洗濯に来たらしいの。そしたらね、乾燥機の前で『乾かない、乾かない…』ってつぶやいている奥さんを見つけたの。」

「そして、乾燥機がゴロンゴロンってものすごい音がしてるので覗いたらしいの。そして、彼は乾燥機の窓の中でゴロンゴロンってものすごい音をさせながら回っている赤ちゃんを見たのよ。」

「あっ!帰るの?そう。洋服も乾いたみたいね。」

「早く開けたら。大丈夫よ。ここでは、なにもないわよ。ここではね。」

「実はね、ここからは噂なんだけど。そこでね。其の一番右側の乾燥機で乾かした服を着て寝るとね。」

「枕元に立つらしいの。其の奥さんが、『乾かない。乾かない…。』ってつぶやきながら枕元でじっと見つめてるらしいの。」

本当かしらね。

でも、其の服を着て寝たらきっとわかるわよ。今晩にでも…。

うるさいおばさんだった。

きっと、時間つぶしの鴨にされたのだろう。

おばさん連中の噂にすぎない。よくある怪談話の一つだろう。

けど、かなり癪ではあるが今夜は寝るのがちょっと怖い。

 

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