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【ゾッとする話】セーブされてなかった?世界がバグった日

   

特に怖くもない短い話だけど。

小学一年生の時、親にはじめてゲーム機を買ってもらった。

そのゲーム機というのがスーファミだったんだけど、世は1997年、プレステやセガサターンが大流行してた年で、
「貧乏なうちの家計ではひと世代前のこれが精一杯なのか」
って子供ながらに寂しく思ったのを覚えている。

その時に合わせて買ってもらったゲームソフトがドンキーコング3だった。

ロックマンXやバイオがやりたかったオレとしては「子供じみたゲームだ」ってここでも親のチョイスに不満を持ったが、いざゲームを始めてみるとさすが任天堂の傑作ゲー、俺ら兄弟はすぐに画面を縦横無尽に駆け回るサルの兄弟のトリコになった。

俺には一つ上の兄がいて、ゲームは俺と兄の共有物だった。

うちはテレビが一台しかなく、ゲームは1日30分と決められ、母親はパートに行く際コントローラーを持って行ってた。

それくらい環境が厳しかったので、ゲームをできる時間帯は母が帰ってきた17時から、父が帰ってきてテレビを見出す19時までの2時間しかなかった。

そのため、一方がゲームをしているときはもう一方がその終わりを待って隣でジーと待機することになる。

一方のゲーム時間が30分をオーバーしたり、一方がゲームを始める時間にちょうど好きなアニメの放送時間に被ってしまうことも多々あり、俺ら兄弟はゲーム関係の争いが耐えなかった。

ある日、どういう理由でだかは忘れたけど、きっとそんな感じの理由でゲーム中の兄と大喧嘩したことがあった。

その喧嘩もいつも通り俺の負け。

7つの俺にとって8つの兄はめちゃくちゃでかく見えたし知らないプロレス技なんかいっぱい持っててどう足掻いても勝てなかった。

しかしその日は、弟を締め上げた後悠々自適にゲームを再開する兄の姿に抑えきれない怒りを覚えた。

うずくまりながらタイミングを伺い立ち上がると、稼働中のスーパーファミコンを蹴飛ばし、ドンキーコング3のソフト箱と説明書をズタズタに引きちぎってやった。

ゲームは兄との共有物だったので、結果的に自分のものを毀損することになったけど、兄を困らせてやりたい一心でそんなことに考えも回らなかった。

そのあと、兄に散々絞められたあげく親にもこっぴどく叱られ、しばらくの間ゲーム禁止が言い渡された。

自分で言うのも何だけど、子供なんてほんと単純で、その後ご飯を食べ、お風呂から上がったころには先ほどの怒りは跡形もなくあるのは後悔ばかり。

ゲームができない時間はゲームの説明書を読んで過ごしてた俺にとって、説明書はとても大切なものだったし、何より蹴飛ばして動きを止めてしまったスーパーファミコンが壊れていないかどうか心配だった。




(ゲーム禁止されたので、動作確認すら2週間も待たなければならなかった。)

そんな後悔ばかりして寝て次の日を迎えたんだけど、そこからがおかしかった。

翌日の17時。

お母さんがいつものようにパートから帰ってくると、ゲーム禁止期間にも関わらず俺たちにいつものようにコントローラーを渡してきた

なんで?と思ったけど、突っ込んだらゲームができないと思ったので、そのままいつも通りゲームをしようとスーファミを閉まっている棚を開けると、中にいつも通りドンキーコング3のソフト箱が置いてあった。

中身には説明書も破れてない綺麗な形で。

これには俺たち兄弟も混乱したが取り敢えずゲームした。

心配だったスーファミの動作も無事で問題なかった。

ゲームが終わったあと、俺ら兄弟は
「なんで?なんで?」
とお互いに確認し合った。

兄もそう言うんだから昨夜のことは夢ではないらしい。

食事の時間、恐る恐る親にその話を聞いてみても、

「昨日そんなことなんかなかったよ」

と言われ取り合ってもらえなかった。

貧乏だったし、クリスマスすらしなかったうちの親が俺らを驚かせるため、秘密でドンキーコングのソフト箱と説明書を揃えたとも思えない。(そんなことしても何の意味があるわけではないし)

兄とはこの不思議な感じを共有し、

「世界がバグったんだろう」

と当時の俺らは結論づけた。

前日のあの状態がセーブされてなかったんだと。

今でもたまに兄とこの話をするけど、当時出した結論以上の答えを、25,6になった俺らは未だ出せないでいる。




 

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