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帰省での出来事|子供の頃ある海岸沿いの道路で

   

俺が小学生の頃の話だ。

俺は毎年お盆になると祖父の実家に親父が運転する車で帰っていた。





丁度、日航ジャンボが墜落した頃だったかな?

日本航空123便墜落事故

で祖父の家というのは国立海中公園に指定される海岸沿いにある漁村で、当時は道の整備を万全としたものではなく、ひたすら海岸沿いを道なりに運転して帰らなければいけなかった。

まぁたまたまその年に限って親父と俺と二人で帰省したんだが深夜に車を走らせていたんだ。

俺もガキだったから深夜にもなれば旅行気分も落ち着き眠りに入っていった。

どれぐらい時間が経ったのか分からない。

ただその時ある夢を見た。

その夢はうなされている自分を後部座席から眺めている夢だった。ガキな俺はそれが全く理解出来ず、また現実に寝ている自分の意識自体もうなされている状態だった。

暫くして嫌な予感からか強制的に目を覚ました俺は「夢?」と思いながらフロントに視線を向けた。

助手席でシートレバーを下げている訳だからガキの身長から考えてもフロントの視界は空を見上げる状態になる。

でも平行にフロントから見える全面の様子が見えるんだ。違和感がありつつも何でだろう?僕寝てるのに。

その瞬間全身金縛りで目だけが自由に前が見える状態になった。

同時に耳にはゴオゴォ~って重低音が入り込んでくる。

身体は動かず、耳は変な音が聴こえる。オドオドしながら

「とおちゃん!!」

と目を隣に向けると親父の姿がない。

ガキの俺の身になればその時点でションベン漏らすレベルで車内も車外も一面暗闇でパニックった。

前に視線を向け直すと前方に暗闇に更に黒い塊状の何かが近づいてくる。

同時に耳に入ってくる音はどんどん大きくなってくる。

それらが次第に調和していく様に感じた。そして一体化した瞬間、前方に居た黒い塊が猛烈な勢いでフロント目掛けて飛び込んで一気に車内を通り過ぎていった。

ぎゃああと絶叫した俺は金縛りが解け怖くて車のドアを開けて外に出た。

「とおちゃん。とおちゃん。どこ?」

どうやら車をどこかの駐車場に停めていたんだ。でも肝心の親父がいない。四方八方見る内に目が暗闇に慣れてきた。

あの黒い塊のお化けはいない。でも澱んだ空間にいる感覚がその場にあった。

親父の車を停めた駐車場は半楕円形の一番深みのある場所に停めてある事が分かった。でもそれは全面を見渡す事でさらに恐ろしい場所に停めている事が理解出来た。

全面180度はすべて墓地だった。

つまり墓地に囲まれた舗装された駐車場だった。

ワーとかギャーとかもうガキが取れるリアクション全部出てた。思わずズッコケって後ろを振り向くと灯りを照らす建物が見えた。

言い忘れたがここいらは大物の魚が釣れるマニアには絶好のポイントでもあって当時は山の中でも海岸線に沿っている事もあり夜中でも釣具屋が営業しているんだ。

どうやら親父はあの釣具屋さんに居ると理解した俺は猛ダッシュ!

中には親父がいて仕掛けやら、餌やらを物色していたが、俺は怒りと恐怖で意味不明な事を親父にぶつけまくった。

親父はケロっとして
「出たか~」
なんてリアクションで気が抜けた。

まぁそんな体験だった訳だけど20年後久しぶりに墓参りにお袋を連れて現地を俺が運転して通った訳だけどね。

変なんだよ。

当時家に帰る際にもその場を通った訳なんだが当然恐ろしい思いをしただけに現地の風景は覚えている。

比較的新しい「駐車場」と隣接された山を崩して拓地醸成された墓地。

跡形もなく何もないんだよね。駐車場も墓地も。

○○って地名の峠である事も分かっているのに…




 

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