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【恐いい話】聞いたことあるイビキ

      2018/06/01

それほど感動的というのではないのですが、私の身近に起こった話を一つ。

ある夜、11時頃、2階の部屋で受験勉強をしていた私は、ちょっとコーヒーでも飲もうと思って1階の台所へ降りていこうとしていました。

2階の階段の横は父が寝ている部屋。

そのころ新聞配送の仕事をしていた父は、普段は夜の9時頃には起きて、出かけていきます。

しかしこの日はもう11時なのに、部屋から

「ンゴ~」

とイビキが響いてきました。

父はけっこうイビキがうるさい人で、昔まだ家族が狭いアパートの一室で川の字になって寝てたころは、その音でなかなか寝付けないほどだったんです。

でももうこの頃には、まあ広い家に住めるようになり、私も個室をもらってたので、なんか久しぶりに父のイビキを聞いた感じがして、ある種の懐かしさを感じましたが、

「あれ、まだ寝てる」

という思いも同時に抱きました。

それで下の台所へ行き、まだ起きていた母に

「今日は父さん休み?」

と尋ねると、

「何いってんの、とっくに出かけたわよ」

との返事です。

「え、うそ、今イビキ聞こえたよ!」

と言ってみても、

「いつも通り、9時半には出かけたわよ」

と、重ねての返事。

そして私の聞き間違いだろうと、さっさと寝てしまいました。

納得のいかない私は、2階の父の部屋をのぞいたのですが、やっぱり父はもう出かけていて、部屋はもぬけのカラです。

不思議な気持ちのまま部屋を見回した私は、あることに気づいたのです。

父の部屋には祖父、つまり父の父の位牌のある仏壇が置いてあったことを。

そしてその祖父は、やはり父と同じイビキのうるさい人だったことを。




私は祖父の唯一の内孫だったので、生前、私をとてもかわいがってくれてました。

当時近くに住んでいた私は、よく祖父の家に泊まりに行き、枕を並べて眠りました。

そしてその時、私はやっぱり祖父のイビキに悩まされていたのです。

だから、あまり泊まりに行くのは好きではなかったのですが、1回行くと50円のおこづかいをくれたので、それが目当てみたいなもんでした。

そのイビキを聞いた頃に私たちが住んでいた家は、実は祖父の家だったのです。

祖父の死後、近くのアパートに住んでいた私たち家族が移り住んだのでした。

「ああ、じいちゃんまだこの家にいるんだぁ~!」

と、私は何の抵抗もなく思いました。

恐ろしい感じも全然なく、祖父が見守ってくれているような気がして、むしろうれしい気持ちでいっぱいになったのです。

数ヶ月後の受験も無事終わり、私は志望校に合格しました。

祖父が死んでから、仏壇にお参りなどしたことのなかった私でしたが、それからは、時々は仏壇の前に座り、祖父に話しかけるようになりました。

そしてそれは20年たった今でも、変わらずに続いています。




 

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