アクセスランキング

【怖い話】日が昇り町へと出るまでに20回以上

   

これはつい最近の出来事なんだけど、俺は友人Yと一緒に東京の奥多摩にある○丸ダムってところに釣りに出掛けたんだ。

そこは釣り場にたどり着くのはちょっとしんどいけど結構いい釣り場で、地元の人間くらいしか来ない場所なんだ。

夜中に着いて日が昇るくらいまで釣るつもりで装備もバッチリだったんだけど、その日はなんか釣果が芳しくなくて、竿に鈴付けて放置してYとお喋りしながらまったりと過ごしてた。

その時、放置してあった俺の竿から鈴の音が

「ちり…ちり…ちりーん」

俺は慌ててあわせたんだが、どうやら逃げてしまったようで引きがない…

取り敢えず餌の付け替えをしようとリールを巻き上げ始めると、微妙に何かの感触を感じた…藻でも絡んでるのかな?

…絡んでたのは藻なんかじゃなかった…

30cmはある人の髪の毛がごっそりついて来た!!

俺と見守っていたYは声にならない悲鳴を上げ、俺は思わず竿を放り投げた。

しかし、気持ちが悪いとはいえ竿はかなり高価なものなので、仕方なくラインを切って竿だけは確保した。

まだまだ夜明けには時間があったけど、とても続行する気にはなれなくてその後はもう逃げるようにして立ち去ったんだけど、逃げ切ってはいなかったんだな…

帰りの車の中で俺たちはさっきの髪の毛について話し合い、いつの間にかお互いの持ちネタ(怪談ね)を披露しながら車を走らせてた。

そのうちに、なんだか恐怖心も薄らいできて、俺もさっきの事は面白いネタになったくらいにしか考えなくなってた。

しばらく車を走らせてたんだけど、助手席の友人が喋らなくなったんで
「おい!?俺に運転させといて寝てるんじゃねーよ」

と隣を見ると友人は寝てるわけじゃなく、

なんだか青っ白い顔しながら窓の外を見てる…

「おい!?気持ち悪いのか?」

「え!?い…いや…あのさ…変なこと聞くけど…」

「なんだよ!?」




「歩道に女が立ってるんだよ…」

「はぁ!?こんな時間にか!?どこだよ?」

「どこっていうかさ…ずっと居るんだよ…」

「え!?」

「さっきから何回も同じ女が立ってこっち見てるんだよ!!」

俺はYがまた俺をびびらせようとしてるんだと思いながらも、自然に歩道にやって背筋が凍りついた。

本当にいる…

確かにYの言ったとおり歩道に女が立ってこっちを見てる。

俺が思わずYのほうを見るとYは黙って頷いた。

その後、日が昇り町へと出るまでに20回以上その女を見た…

もう2人とも無言のままで、地元に帰り着くと俺はYを家の前で降ろし

バックミラーを気にしながら(かなり臆病になってた)家まで辿り着き、道具も放りだしてそのまま布団に包まった。

いつの間にか寝込んでいた俺をお袋がすげぇ怖い顔して起こしに来た。

「あんた!!あのクーラーボックスなに!?」

「へ!?いやちっこいのがチョロチョロ釣れただけだから今日は何も入れて帰ってきてないよ?」

そういいつつクーラーボックスの中を覗くと…

俺が釣り上げた「あの髪の毛」がごっそり…

ラインを切って置き去りにした髪の毛が…





 

 - 怖い話/怪談 , , ,