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【怖い話】向かいの家の屋根から出現した黒いものの正体

      2017/10/18

オレの部屋の前にある家はかなり金持ちで、毎週ワイキキやサンフランシスコに出かけるような富豪っぷりだった。

オレが二十歳になって2週間目の夜。

月が奇麗な夜だったのを覚えている。

夜中にネットしてて(エロ画像収集w)まだダイアルアップだったから落ちてくるのがめちゃくちゃ遅くてイライラしてたので窓の外を見た。

お向かいの屋根が見える。

月に照らされて青白い屋根に見えた。

だが、

真ん中らへんに黒いものが居る。

猫にしては大きい。

大型犬ぐらいの黒いものがいる。

オレはそれをしばらく観察してた。

画像はなかなか落ちてこないんで暇つぶしだった。

とにかく黒いものだったとしか形容はできなかった。

最初はうずくまっているアヒルのようだったがしばらくするとすくっと立ち上がった。

驚いた。

二本足だった。

月明かりに煌煌と照らされているにもかかわらずそれは黒いまんまで屋根の上をじわじわと歩き始めた。

なんだよなんだよ!もしかして泥棒?110番!?こんな夜中に繋がるのか?

と思いながらもその黒いものにオレの目は釘付けだった。

目がそらせない。

手は無いようだった。

歩き慣れてないかのようにゆらゆらじわじわと屋根の上をそれは歩き回る。

時折、瓦の隙間を覗いたり窓越しに中を覗いたりしながら歩き回っていた。

空気が変わったのが分かった。

夏なのに湿度も気温も下がっている。

冷や汗が出て来た。

やがてそいつは白いお向かいさんの壁をなで回し、数回なで回したあと突然ばんばん!!

と叩きだした。

夜中だから相当な音だった。

近所の住人が起きてくるんじゃないか?っていうぐらい叩きまくっていた。

案の定、隣のアパートの住人が起きだしてきてそれの姿を見るなり

「あっ!」

と小声で叫んで部屋に戻ってしまった。

しばらくするとその黒いものは元居た位置にまたうずくまりそのまま色が薄くなって消えてしまった。

「居なくなった…」

オレは安心感からか釘付けになった視線が動かせるようになったことに気がついた。

「居なくなったよな?」

とオレは安心感と一気に吹き出た恐怖感でしばらく周囲をきょろきょろと見回してしまった。

居なくなってはいなかった。

いつのまにかそれは向かいの道路に立っていた!




電柱の端までずるずると進んで行ったあと電柱の下で街灯に照らされて立ち尽くしていた。

何かを待っているように。

時々、やはり同じように電柱をばんばんと叩いたりしていたのが奇妙だった。

オレは恐ろしくなり、回線切って(エロ画像よりも恐怖が先に立ったw)布団ひっかぶって寝てしまおうとした。

寝付けなかったけどさ。

翌朝、いやな夢を見て最悪の寝覚めを迎えた俺は戦慄することになった。

まず、例のお向かいの白い壁に黒いすすのようなあとが無数に残っていた。

いやなことに電柱も途中がすすで汚れたように黒くなっていた。

「うわー、夕べはやなもの見ちゃったな。」

と頭を入れ替えようと煙草に火をつけた。

煙を吐くと同時に煙草が床に落ちた。

オレの目の前にある自室の窓。

そこには黒いすすのような手形がいくつもついていた…。

後日談

あまりにインパクトの強い怪現象を目の当たりにしてオレ、寝込んじゃったんですよ。

三日ぐらいは寝てたかな?

で、どうにか動けるようになったんですよ。

窓の手形は速攻で拭き取りました。

何か因果臭い出来事だったので、ばぁちゃん(現在故人)に聞いてみたんですね。

すると、ばぁちゃんも若いとき同じようなものを見た。

と言うんです。

「あれはKさん(向かいの家の名字)の親父さんだと思う。」

と言うのです。

ボケたか!ばぁちゃん!!と思いつつももっと聞いてみると嫌な因果を語ってくれました。

「Kさんには、死んだ旦那さんがいてねその人の死に方が非常に惨くてね。」

「お前は知らないだろうが、お向かいのKさんの家は一回燃えてるんだよ。」

「奥さんは買い物に出かけていて留守だったけど、旦那さんは家にいてタバコの火の不始末で自分に燃え移ったらしいんだ」

「それはひどい燃え方でね、全焼にはならなかったが旦那さんは炭のようになってたんだよ。」

「戦争中に空襲で焼かれた人を見たけど同じような感じだった。真っ黒焦げで。」

「でも不思議だったのはそんなに大火事でないのになんで旦那さんだけあんなに黒焦げになったんやろうねぇ…」

「煙草の不始末だけであんなに黒焦げになるもんやろか。わしにはそれがわからんのよ。」

と、ばぁちゃんは因果を語ってくれた。

「それからやね。奥さんがしょっちゅう外国へ出かけるようになったのは。」

「家におると落ち着かんそうや。なんか見られてるような気がするゆうて。」

「訳を聞いても口はばったいらしくて、はぐらかされるんやけどな。」
「あんま人に言いなや。これは因果や。巡り巡った因果や。」

いまでも向かいの家の奥さんはしょっちゅう外国に出かけてる。

今も居ない。

向かいの家に何の因果があったかは分からないが、ばぁちゃんもオレもその「もの」を見ている。

そしてばぁちゃんはその因果の一部を知っていた。

だけど、まだ何かあるような気がしてならない。

ばぁちゃんはすべてを語ってはくれずにこの世を去った。

因果はあれだけでは済まない筈だ。

オレはそう確信している。

もっとも調べる気はさらさらないが。

調べてはいけない気がする。

何十年も前に起こった不可解な事件。

十年前に起こった不可解な出来事。

いまは何も無いが留守がちな向かいの家。

願わくば因果の鎖がもうほどけていることを祈る。




 

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