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【怖い話】入り口のジッパーは全開でした…

      2017/12/27

以下私が中学三年のときの不思議な経験です。

皆さんにはたいして怖くないかもしれませんが。

当時私はボーイスカウトに入っていました。

ボーイスカウトは中学二年で終わりなのですが同じ学校の友達と一緒に入っており、皆シニアスカウトには入らず中学卒業を持って学校もバラバラになってしまうので、最後の記念にと夏休みに友人4人とキャンプに行く計画を立てました。

友達だけでキャンプに行くことは初めてなのでせっかくだからいつも使っていない、誰も行ったことのないキャンプ場を選びました。

団からテントやタープその他諸々を借りて途中まで親に送ってもえらい、目的地まで軽いハイクをしました。

初めは

「こんな重いテントを背負ってハイクなんてダルイなぁ」

と思っていたのですがこの時ばかりは目的地について何ともいえない満足感がありました。

キャンプ場に着いて設営も終わり、散策を終え、飯を作っていたときのことです。

ひどい雨が降り始めてしまいました。

天気予報は晴れ(と友人が言っていました)だったのでどうせ軽い夕立だろうと思いましたが、雨は時間が経ってもしとしとと降り続け、止む気配はありませんでした。

肝試しチックな夜の散策なども予定していたのですが雨の中では誰もしたいと思うわけがなくずっとテントの中でエロ話や怪談話をしたりして過ごしました。

親に隠してそれぞれが持参した酒も手伝って普段では言えないような悩みも自然と話すことが出来ました。

将来のことや目の前に迫る受験のこと、中学生4人の座談会は大いに盛り上がりました。

しかし次第に話題もなくなり、慣れてないアルコールの酔いが回ったせいもあり、まだ早い時間ですが寝ることにしました。

ここで1つ問題がありました。

雨です。

私たちの借りたテントは普段使う天井が三角形のものではなく、ボロになった天井が四角形のものだったのです。

そのために雨が降ると水が溜まってしまい潰れてしまうのです。

これを避けるためには誰かが2時間おきくらいに天井を叩いて水を落とさなければなりません。

そんなかったるい仕事を進んでやる者は誰もなく、ジャンケンで決めることになりました。

そして私はここ一番の運の悪さが出てしまい、一晩中起きていてその労働をする羽目になったのです。

薄情者の友人たちはものの5分で全員眠ってしまいました。

仕方がないので私はいびきと歯軋りの中、懐中電灯一個で一人寂しく漫画に耽りました。

もう読み飽きた漫画をゴロゴロしながら何の感情もなく読んでいたときのことです。

奇妙な音に気がつきました。

初めは雨がテントを打つ音と混じってよく聞き取れなかったのですが、次第にはっきりと聞こえるようになりました。

ヌチャリッ…ヌチャリッ…

という音は明らかに何かの足音でした。

しかも非常に激しく重い歩調です。

私は音を聞くのに集中しました。

…ヌチャリッ…ヌチャリッ…!!!!

いきなり足音の間隔が早くなり大きくなったのです。

懐中電灯が付けっぱなしだったのに気づき、あわてて消しました。

テントの生地は厚いのでそう簡単に懐中電灯ぐらいの光が外へ漏れるわけはないのですが、バレたッという恐怖で頭はいっぱいでした。

足音は一旦止んだのですが、すぐに今度はテントの回りを歩き始めました。

テントの周りを回るのはよく野犬などの動物が行います。

しかし、危険な動物から身を守るためにも残飯などの食料はしっかり埋めるか密封しなくてはならないとこっぴどく教わっています。

今回も例外なくそれを実践しました。

しかも雨の中動物が出歩くものだろうかとさらに不安はつのりました。

途端に足音がパタリと止みました。

しかし気配は相変わらず消えません。

このときは本当に身動き一つ出来ませんでした。

自分の心臓の音が外の何者かに聞こえていないかと本気で心配しました。

もう限界だと思い始めたとき、不意に

ジジジジッ…ジジジジッ…

という音が聞こえました。

暗闇の中、一瞬で何が起こっているのか推測できました。




テントの入り口のジッパーを開けている音でした。

このとき生まれて初めて私は気絶を経験しました。

その後、私は朝まで落ち、ひどい衝撃で目を覚ましました。

何が起きたのかしばらく分かりませんでしたが、これはテントが潰れたのでした。

友人たちも一瞬で目を覚まし、悲鳴をあげて皆で外に這い出しました。外はよく晴れていました。

散々に責められる中で私は夜の出来事を説明したのですが、もちろん誰にも信じてもらえません。

足跡も探してみたのですが、雨とテントが崩れた衝撃で何も残ってはいませんでした。

ただ、入り口のジッパーだけは全開になっていました…。

友人たちは今では笑い話にしますが、私は今でもあのときの恐怖を忘れることが出来ません…。




 

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