【ゾッとする話】粘土の一件
小学校の頃、総合学習なのか何なのか、近所の幼稚園を訪ねて一緒に遊ぶという事があった。
幼稚園児と一緒に粘土で合作、という事をやった。
合作といっても小学生&幼稚園児混合グループでそれぞれが何か1つ作り、合体。
というわけわからんもんだったわけだが。
オレの入ったグループで、皆騒ぎまくりなのにひとり黙々と粘土をこねている幼稚園児がいたから
「何つくってるの?」
と聞いてみた。
その子は
「お母さんと赤ちゃん」
と言った。
そういいながら、赤ちゃんと思しき小さな粘土の塊をお母さんらしき大きな塊の空洞にいれた。
「赤ちゃんは生まれる前なの?」
っていったら
「うん」
だって
それからオレは暫く自分のものを作っていた。
大体出来たのでひと息をついてふとさっきの子を目で追うと、手洗い場に行きひたすら何かをやっていた。
そろそろ終了時間なので呼びにいくと、その子は手洗い場に粘土を置いたまま、蛇口をめいっぱいあけて水を流していた。
「何やってるの?、粘土ながれちゃうよ」
といったら
「あかちゃん水に流れちゃった…」
とぼそっといった。
何か気味が悪かったのだが、とりあえずその水に濡れた訳の分からない塊を拾い上げ合体させた。
数日後、その子と家の外でばったりあった。どうやら結構近所だったらしい。
一ヶ月位あとに、その家の母親が流産したらしい…
という話を聞いた。
粘土の一件を思い出し気味が悪かった。