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【ゾッとする話】深夜徘徊する手押し車の謎の老婆

   

2年前の事。

JRと私鉄の最終接続に間に合わず、JRの駅からタクシーで最寄の駅まで帰ろうしたが、タクシーの運ちゃんが道を間違え、2つ先の駅まで行ってしまった。

疲れていて怒る気にもなれず、かといって、そのままそのタクシーに乗る気もせず、しょうがないので、そこから徒歩で帰宅する事にした。

携帯で時間を確認すると午前1時30分。

その頃は、まだ引っ越して来たばかりで道にも不慣れだった為、線路沿いをトボトボと自分の住んでいる駅の方に歩き始めた。

20分ぐらい歩いただろうか、前方から人が何かを押して歩いてくるのが見えた。

ガラガラガラガラ…

買い物車(名称が判らないが、タイヤが付いているカゴ付き押し車)を押して前方から白髪の老婆が歩いて来た。

押し車の上には白いビニール袋が載っていた。

「うわぁ、こんな時間に何だか怖いなぁ」

と思いながらタバコを吸いつつ、何気にチラチラと見ながらすれ違った。

「足もあるし歩いてる、人間だ。でも、こんな時間に怖いなぁ」

とビビリつつも家路に急いだ。

やっと自分の住んでいる駅まで来た。

携帯の時計を見たら既に午前2時を廻っていた。

自分の利用している駅の周りは駅前の小さな商店街しかなく、そこを過ぎると住宅街だ。

食事も摂る気がせず、コンビニにもよらず、そのままマンションまで帰ろうと住宅街の通りに入った。

そこの十字路を左に曲がれば家までは50mだという所に来た。

ガラガラガラガラガラ

十字路左から音が聞こえる。

「え?この音って??」

先程聞いた買い物車を押す音が十字路左側の方から聞こえてくる。

こちらに来ているようだ。

音は段々大きくなってきている。

深夜の住宅街にタイヤの音が響いていた。

なぜか俺は焦っていた。

「左に曲がりたくない。でも曲がらないと帰れないし…」

歩調は鈍っていたが確実に俺は十字路に向かっていた。

音はまだする。




「ビビることはない、早く家に帰ろう。」

歩調を少し速めにし俺は十字路を左折した。

そこには、押し車を押してこちらに向かって来る一人の老人の姿が見えた。

「まさか、な…」

しかし10秒後、俺は曲がった事を後悔する事になる。

そこには30分以上も前にすれ違った白髪の老婆がいた。

背格好、押し車の色、型、押し車の上には白いビニール袋を載せているのも同じだった。

俺は、その場で立ち止まってしまった。

老婆が近づいてくる。

もう目の前だ。

だがしかし、老婆は俺の横を通り過ぎて行った。

ガラガラガラガラガラ…

音は遠ざかって行く。

俺は、ホッとした。その場でタバコに火を点けて一息煙を吐いた。

その時、

「あんたにゃ何もしないよ。」

耳元でいきなり声が聞こえた。

ビクッとしてタバコを落とした。

俺は全身から血の気が引くとともに振り向く事もなくダッシュで家に駆け込んだ。

そんな件があったが以降、特に変わった事はない。

俺は何もされなかったようだ。




 

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