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【ゾッとする話】ある地方に集中するくだんの話

      2018/02/02

学生の頃、友人にバーベキューに誘われた。

友人の家は酪農家で、町外れの山で小さな牧場を経営していた。

楽しく飲み食いしていると、敷地の片隅に変わった牛舎があるのに気がついた。

建物自体は普通だったが、入口が牢屋のように格子状になっていた。

どんな牛をいれるんですかと尋ねると、友人の親父さんが教えてくれた。

あれは牛を入れていたんじゃない、

くだん

を入れていたんだ。

くだんというのは人間の顔に牛の身体を持つ化け物で、予知能力を持つという。

先の大戦中に生まれたそうで、当時では色々とまずかったことを予言していたらしい。

親父さんはこの話を、しごく平然と語っていたそうだ。

後輩の話。

女の子二人だけで、ある渓谷の観光に出かけた時のこと。

渓谷近くのバス停で出会った小母さんに注意されたという。

このあたりの山谷を歩く時は、

くだん

に気をつけるんだよ。

くだんとは何かと聞くと、人間と動物の合いの子みたいな人面獣身の化け物で、山に入った女性に悪さをすると教えられたそうだ。

襲われた女性は、また別のくだんを産むのだという。

本当なんだよ、

私は実際に、猿のくだんと熊のくだんを見たことがあるんだ。

小母さんは真面目な顔で、声を潜めてそう言った。

信じたわけではなかったが、人影のないコース外の道は歩かなかったそうだ。

知り合いの話。

真夜中、テントの中で休んでいた時のことだ。




外の荷物をがさごそする音で目が覚めた。

熊だと誰かがささやき、皆は緊張して息を殺したのだという。

その時、外から男の太い声がした。

ろくな物がねえなあ。

驚いて入口を開けると、大きな毛だらけの黒いものがいた。

身体は熊だったが、顔部の真中についていたのは白い人間の顔だった。

そいつはニヤリと笑って山の中に消えた。

チョコレートや蜂蜜などの、甘い非常食だけが失くなっていたそうだ。

以上、“くだん”にまつわるお話でした。

ちなみに話を採集した場所は、すべて中国地方なのです。





 

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